小説家食堂

小説、エッセイに登場するあの料理を食べる

キューカンバー・サンドウィッチ(伊丹十三『女たちよ!』)

“ところで、このキューカンバー・サンドウィッチであるが、これは実にけちくさく、粗末な食べ物でありながら妙においしいところがある。”(伊丹十三『女たちよ!』の「キューカンバー・サンドウィッチ」より)

キューカンバー・サンドウィッチ

シンプルなサンドウィッチなので、きゅうりの青臭さが悪目立ちしないように皮を剥いたほうがおいしいです。見た目も少し澄ました感じで上品になります。

 

映画監督、俳優、エッセイストと多彩な才能を持つ伊丹十三(1933-1997)のエッセイから。映画『タンポポ』で、ご存じ、たいめいけんのたんぽぽオムライス(チキンライスの上に、オムレツにナイフを横に1本入れて半熟卵をふかふかに広げる)はブームになりました。


たんぽぽ すごく美味しそうなオムライス作り

『女たちよ!』ではグルマンの伊丹さんらしい食にまつわるエッセイがたくさん登場します。キューカンバー・サンドウィッチはイギリス上流階級の典型的なお茶菓子なのだそう。例としてオスカー・ワイルドの戯曲に触れ、登場人物にみずから身分や背景をセリフで語らせることなく、この芝居は上流階級の話だなと観客に一瞬にわからせる小道具として出てくるのを紹介しています。


伊丹さんの筆はイギリス的だというこのサンドウイッチのレシピにもおよび、その筆に伊丹さんの思い入れを感じて、簡単だったので想像で補完しながら作ってみました。薄切りのきゅうりに塩をふり、これをバターを塗った耳を落とした食パンではさみ、一口で食べやすい大きさに切る、それだけです。バターと塩味のシンプルな味で、確かに。妙においしい。

 

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故郷函館のトラピスト修道院のバター ¥1,080 税抜
日本のバターでは少ない、生きた乳酸菌を用いたヨーロッパ流の発酵バター。

 

RECIPE

キューカンバー・サンドウィッチ(2人分)
食パン(8枚切り)  ・・ 4枚
きゅうり・・・・・・・1本
バター・・・・・・・・少々
塩・・・・・・・・・・少々


HOW TO COOK
1. スライサーで皮を剥いたきゅうりを、スライサーで薄輪切りにする。
2. 食パンの片面にバターを塗る。
3. 食パンに水気を切ったきゅうりを並べて、塩をふる。残りの食パンでサンドする。
4. 3をラップでぐるりと巻いて、お皿などで軽く重しをして、なじませる。
5. ラップを巻いたまま食パンの耳を落とし、6等分に切る(上流階級のご婦人向け一口サイズ)。

 

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